協同組合の売却、M&Aの話が盛んな今日この頃

協同組合について 協同組合設立・監理団体の許可申請について

協同組合の売却、M&Aについて

協同組合の売却やM&Aに関するお問合せ、ご相談が増えてます

協同組合の売却、M&Aはできるのか?協同組合の売却M&Aについて、近頃お問合せやご相談が増えております。

その要因は、技能実習制度の見直し、改正が迫っていることや、昨今のコロナ禍による悪影響が直撃的に受けてしまった監理団体(協同組合)があることからではないかと推測します。

しかし、協同組合の売買は基本的に違法性の高い行為です。
協同組合は資本ではなく人で成り立っている法人ですので、協同組合の売買というのは本来ありえないはずです。

また、この手の話として盲点になっている部分ですが、協同組合を買った側からすれば、協同組合運営を開始できるようになるまで時間がかかるケースが多いということもあります。

この記事では弊社なりに、協同組合を売却やM&Aとはどういったことなのかを考察した内容になっています。

ちなみに、協同組合の売買については過去に記事にしています。良かったらご一読ください。
過去記事はこちら >>>協同組合の買いたい売りたいの話が最近多い

そもそも協同組合の売買、M&Aはありえないはず?

株式会社や有限会社などは、株式を譲渡することで会社の売買をおこない、経営権を売買できます。

しかし、協同組合の場合は違います。

協同組合とは、共通の目的を持った事業者が、出資をすることによって組合員となり、相互扶助の精神で組合の共同事業に携わることで組合員の事業運営に役立てていく法人組織になります。

また、協同組合の運営に関しては、出資の大小にかかわらず組合員一人一票の投票権によって運営に関する議決を行います。

以上の事から、協同組み合は資本ではなく人で成り立っている法人なので、その協同組合を売買するということが成り立たないものになっています。

協同組合の売買は外国人技能実習生共同受入事業の利権がメインディッシュ

協同組合(監理団体)の利権
協同組合の売買話がなぜあるのか?
と言うと、それは、外国人技能実習生共同受入事業が協同組合の事業としてあるからです。

この外国人技能実習生共同受入事業を利権と捉えて協同組合(監理団体)を運営している人と、外国人技能実習生共同受入事業を利権と捉えて協同組合(監理団体)を運営したい人がいるので、協同組合(監理団体)の売買話が存在しています。

協同組合(監理団体)が行う外国人技能実習生共同受入事業での利権的なものは、良い利権と悪い利権があります。

あえてここでは、その利権について詳しく書きませんが、一つ良い利権的なものを揚げると、”中小企業の囲い込みと市場化”が可能であることなのですが、果たしてそこを魅力的に感じる人がどれだけいるかは分かりません。

協同組合を購入するリスク

協同組合(監理団体)の執行部を譲り受ける際にはリスクを伴うこともあります。
特に、譲り渡す方と譲り受ける方での信頼関係が無い場合、そのリスクがどれだけあるかの把握は難しいでしょう。

では、どんなリスクがあるのか?

ここでは財務関係や業者との契約関係など、株式会社のM&Aなどであるリスクは除いて、監理団体としてのリスクをいくつか下記にピックアップしてみます。

協同組合と組合員企業(実習生を受入れしていれば実習実施者)との間で脱退を巡ってトラブルになっている

組合員企業の脱退を巡って出資金や組合費の支払や返還などを巡ってトラブルがになることもあります。

技能実習生とのトラブルを抱えている

技能実習生とのトラブルには様々なケースがあります。
賃金の不払い問題、人権侵害問題など、訴訟中や訴訟がこれから起こりそうな状況なことがある場合、その問題は技能実習生と実習実施者間の問題で済まない場合があります。
技能実習を監督・指導する立場の監理団体まで責任が及ぶケースは珍しくありません。
 

技能実習法、入管法で違反を摘発され不正行為認定待ちになっている

監理団体として技能実習法、入管法に抵触する行為を摘発され、不正行為認定待ちの状態になっているケースです。
摘発から不正行為の認定までのタイムラグ6ヵ月~1年と長い場合があります。

協同組合(監理団体)を買えばすぐ運営できるわけではない

そもそも、協同組合(監理団体)の売買自体がよろしくない事なのですが、協同組合(監理団体)を買うということで直ぐにその協同組合(監理団体)を運営できるのか?
というと、そんなことはありません。

次項でも説明しますが、協同組合の役員が変わる、事務所の所在地が変わる、場合によっては新たな業種を組合員資格に加えたり活動地域も拡大するなど、かなり大掛かりな定款変更になることが多いかと思います。
ましてや、協同組合の本店所在地を他県へ移すとなれば尚更です。

定款変更した内容によっては登記申請が必要な場合があります。
所在地や活動地域、代表理事などの変更は登記が必要になります。

そういった定款変更手続きを行った後に、外国人技能実習機構へ変更届を行っていきます。

外国人技能実習機構への変更届の内容は以下の内容になることが多いと思います。

  • 組合事業所の所在地
  • 監理事業所の所在地
  • 役員
  • 監理責任者
  • 外部監査人
  • 送出機関の追加

他にも、協同組合の名称変更など、他にもありえます。

上記の変更内容において、監理責任者と監理事業所については厳格な審査が行われると思います。

監理事業所についてはかなり厳しく審査されるので、移転を検討する段階で監理事業所要件を完璧に満たした物件を探さないといけません。

これらの手順を進めていくには、行政書士やコンサルタントに丸投げとはいきません。
要所要所直接当事者が対応しなければならないことが所々あります。

それなりに手間と時間がかかります。
実際に監理団体として運営できるようになるまで6ヵ月かかるというケースはザラにあり、1年かかったというケースもあります

普通に協同組合を新設して監理団体の許可を得るまでかかる期間が最短で約10ヵ月ですから、リスクと大金をかけて協同組合(監理団体)を購入するという考えを持たない方が良いと思います。

では、協同組合を合法的に売買できないのか?

売買自体がダメです。

あるとすれば組合法に則った手順で協同組合に参画することです。

協同組合の購入の検討を止めて合法的に執行部に入る側として説明すると以下のようになります。

合法的に協同組合の運営に参加するには、まず組合員になるところから始まります。

協同組合の趣旨に賛同し、出資をして組合員になります。
組合員になるのと同時に役員の改選を行い、理事に就任という流れになります。
これらの一連の流れを総会によって決議していきます。

これだけです。

様々な手続きや手順は前項で説明した通りです。
弊社にて、このようなケースの手続き等のコンサルとサポートをさせていただくこともございます。

おかしな大金のやり取りはなく、協同組合の執行部を引き継ぎたいという人に、組合の趣旨に賛同してもらうことを大前提に組合員になってもらい、同時に改選をして理事になってもらうというだけです。

直接お会いしていただく方々にはもっとお話できるのですが、こちらのコンテンツで説明できることは以上です。
協同組合の売買、譲渡、M&Aとよく聞きますが、私は新規設立をお勧め致します。

>>> 協同組合(監理団体・特定技能登録支援機関)設立サポート

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